白い翼と…甘い香り

ふと手の平で
音が鳴らないよう設定した
携帯がブルブルと震えた。

小窓にはさっき
自分の部屋に帰ってきて

何をするよりも先に登録した
和也の名前が表示されてた。


ドキッとして
キュンとなって

身体の中が
少し熱くなる気がする。



携帯を開くと…


~いまリカは
何を考えてる?~

と、それだけ。


でも、大きな空白を
段々と下へ下がると


~会いたい。
いっぱい話したい。
キスしたい。
抱き締めたい…~




和也から届いた
1件目のメール

記念すべき
第1号メールは

涙が出そうなくらいに
ストレートだった。


こんなメール
貰った事なんて無い。


「好き」だという言葉は
どこにも無いのに

ちゃんと
気持ちが伝わって来る。


「会いたい」と
その言葉だけで
いいと思うくらい

ストレートな
言葉だって感じる。



なんと返事をしようか
迷いながら



~会いたい。
もっと話したい。
キス、したいよ…
抱き締められたい…~



全く同じ事を
思っていると伝えたくて

和也の言葉を
借りたような返信を送る。



伝われば

いいな…


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