白い翼と…甘い香り
強く握った手を
離さず引っ張りながら
「ちょっと待ってよ」
と言うよりも先に
「ひとりには、させねぇ
だから、連れてく」
少し照れ臭そうな和也の背中
私の手を引く強い腕が
涙で滲みそうになる。
今すぐその胸に
飛び込みたい…
手を引っ張られたまま
和也の部屋に入り
ドアのカギが
閉まるよりも早く
ただ引っ張られて
唖然と着いて来た私に
何も言わずに
和也はキスをした。
目を見詰める
ヒマもなく…
体制を整える
スキもなく…
抱き締め合うよりも
先に…
和也の部屋に、足を踏み入れた
瞬間だった。
身体中のどこよりも
最初に触れたのが
クチビルだった。
ボーッっと
突っ立っただけの私に
目を閉じるスキも
ないような位に
首を傾けて斜めから
クチビルを
押し付けるような
キスだった。
クチビルを
押し付けながら
チラッと視線を送るように
右手を伸ばして
2人以外は必要ないと
言うように
ガチャリと強く
カギを閉めた。
その後、邪魔者はもう
誰も来ないと
安心したように手が伸びて
腰を抱き締め、頭を抱え
まるで逃げ場もないような
そんな
抱え込まれるキスをする。
身体が、ね…
キュンと、なる。