白い翼と…甘い香り
「ねぇ、リカが
逢いたいって言うのは
やりたいって事?」
そんな事これっぽちも
思ってないって表情をしながら
私の気持は
もう分かってるクセに
わざと意地悪な顔で聞く。
「ちっ… 違うわっ
それだけじゃない…」
「俺は、我慢しようと
思ったんだよ?
ソレだけが目的みたいに
思われたら、ヤだから」
「私だって和也にそんな事
思われたくない。
でも…」
「でも…、なに?」
和也の手が首筋を這って
段々とアゴを反らせるみたいに
のけ反る。
耳元にかかる吐息のような
低い声がたまらなくて
それだけで身体が
疼き始めた。
「ちゃんと言ってよ」
「気持ちが…
最初は気持ちが
欲しいと思った。
暖かい、気持ちが…」
「分かるよ。
だから、俺の気持ち
ぜんぶリカにあげる」
そう囁きながら、今度は
首筋をクチビルが這った。
とても嬉しくて暖かい言葉を
聞かせてもらったのに
それには返事が出来なくて
和也の動きに集中してしまう。
ゾクリと、鳥肌が立つ。
「でも、それだけじゃ
イヤなの…」
「それだけって?」
和也の舌先が
うなじを舐めるように
ツゥーっと動いた。
「ぜんぶが、欲しい。
気持ちも身体も
どっちもぜんぶ…」
そう言いながら
ものすごく和也を
欲しいと思う。