白い翼と…甘い香り

さっき、俺の気持ちを
全部あげると言ったけど

それはもちろん
涙が出そうなほど
嬉しい言葉だったけど

でも…
それだけじゃ足りないって
知ってしまったんだ。



昼間、和也が
抱いてくれた時に

心と身体が
同時に感じるんだって事を
知ってしまった。

身体と、気持ちを
同時に満たしてくれるのは

凄い事なんだって分かった。



だから

全部が欲しくなる。



「じゃあ俺
我慢しなくていい?

ソレだけが目的で
近付いたって、思わない?」


「思わない…」

「俺の気持ち、疑わない?」

「疑わない、だから大好き
それだけ…」



イスに座ったまま
身動き出来ないでいた。

和也の手が首筋を
這うだけで動けなくなって

捕らえられたみたいに
囁く言葉に、頭が痺れた。


「抱きたいって思う時に
抱いても、いい?」

「…うん、きっとね
私も同じ事を思ってるから…」

「じゃあ
ちゃんと言って?」

「何…を?」


< 80 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop