白い翼と…甘い香り
■9時間後■
「ねぇ、朝まで居られる?」
2人でシャワーを浴びながら
和也が控えめな声でそう言った
「居ても、いいの?」
「いいよ?」
「和也のベットで
寝てもいいの?」
「俺はソファーで寝よっか?」
わざと言ってるのが分かるけど
首を少し傾けて下から
見上げるような目付きが
ものすごく可愛くて
でもちょっと、憎らしくて…
「うん、そうしてくれる?」
わざと真顔で
そんな事を言ってみた。
「リカ、バッカじゃねぇの?」
少しクチビルを尖らせて
眉間にシワを寄せて
でも可愛い顔で
バカって言った。
「んなの
泊まってく意味ね~じゃんか
ふざけんなよっ」
言葉は悪いけど
優しい優しい顔で
暖かい声で言いながら
後ろから抱き締める。
和也が最初に
言ったクセに…
バカとか、ふざけんなよとか
何だか散々に言われてるね。
それが、どうして
こんなに優しくて
嬉しいんだろう?
些細な言葉の中に
私の欲しかった気持ちが
たくさんあるんだ。
バカって言われても
乱暴な言葉使いでも
その言葉に
愛が溢れているくらい
仲良しになりたかった。
ものすごく近付かなきゃ
言えない言葉だって思うの。
そんな小さな事が
欲しかったんだよ…