天神学園大聖夜祭
別の教室。

「……」

RA000-EX00、通称『ラエクス』が、件の招待状をスキャンする。

「インク、紙質共にこの学園の職員室のコピー機のものと断定されました」

「やはりそうですか」

文野 穹(あやの きゅう)が、長い前髪で視線を隠したままクツクツと笑う。

「じゃあやっぱり、招待状を送ったのはこの学園の関係者の誰かなの?」

問いかける玖宮 天眞(くみや てんま)に。

「実は…これをばら撒いたのは僕なんです」

穹は衝撃のカミングアウトをする。

「何!それは本当か?」

赤い髪を振り乱し、金色の目を丸くするのは七力 迦楼羅(しちりき かるら)。

「一体何の目的で?」

天眞の質問に対し。

「…決まってるじゃないですか」

穹は背筋の寒くなるような薄笑みを浮かべた。

「『クリスマステロ』なんて物騒な名前をつけているんですよ?この機に乗じて、天神学園の有力な生徒達を皆殺しにする為ですよ…」

「そ、そんな真似は…させないわ!」

ギュッと唇を噛み締める天眞。

そんな彼女に穹は口角をつり上げ。

「……まぁ、嘘なんですけどね」

「「「嘘かーーーーいっっ!」」」

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