天神学園大聖夜祭
「ところで…」

機嫌よくアイスクリームをパクついていた雪菜の勢いが衰える。

「『この人』どうにかなりませんか…」

彼女の背中には、背後霊よろしく小岩井さんが張り付いている。

天神学園保健室在住の亡霊、小岩井さん。

知る人ぞ知る、保健室の主だ。

「そんな言い方するなー…」

郷が煙草を携帯灰皿で揉み消す。

「小岩井さんは普段は保健室の地縛霊なのに、クリスマスパーティーって事で、貴様の為におめかしして来てくれたんだぞー…」

「どこがおめかしなんですかっ!」

「よく見ろー、小岩井さんの頭からの出血がいつもよりも大量だろうが…」

「これおめかしなんですか!?」

< 63 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop