天神学園大聖夜祭
保健室。

「あ゛え゛あ゛ぁあぁぁあ゛あ゛っ!」

神谷 秋雨(かみや しゅう)が奇声を上げる。

土御門 夕(つちみかど ゆう)が保健室で皆に鍋物を振る舞ってくれるというので御馳走になっていたのだが。

「辛いっ!辛いっていうか苦いっ!苦いっていうか痛いっ!」

「えー…そうかなぁ…」

夕は淡々と顔色一つ変えずに自作の鍋を口に運ぶ。

「上手に出来たんだけどなぁ…ハバネロ入り肉団子入りキムチトムヤンクンベースのホットチリカレー鍋」

「もう何料理だかわかんないしっ!」

悶絶する秋雨に。

「秋雨君、これ食べて舌を冷やして下さいっ」

佐伯 雪菜(さえき ゆきな)がシャランと効果音と共に取り出したのはカキ氷。

この年の瀬にこれは堪える。

「冷たいっっっ!」

辛さの次は冷たさで悶絶する秋雨。

そんな彼を他所に。

「クリスマステロなぁ…」

鹿獄 郷(かごく ごう)は眠たげな顔で招待状を見つめる。

「どう思います…?」

郷は秋雨の背後に語りかける。

ふと振り向く秋雨の背後には、保健室在住・郷の亡霊ティーフレンド小岩井さん。

「怖いっっっ!」

秋雨は冷たさの次に怖さで悶(以下略)。

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