天神学園大聖夜祭
にもかかわらず。

「可畏君、今度はあっち行ってみようよ」

この少女は何だろう。

可畏から見れば力なき小動物に等しい、この一条 璃月という少女。

身長だって可畏の胸元程度しかない。

にもかかわらず、彼女は可畏の大きく褐色の手を引き、まるで幼子を先導するかのようにパーティー会場を歩く。

羅刹天の化身たるこの自分を。

恐れもせず。

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