花火が教えてくれた【企】
『とりあえずスッキリした?』
「え……。」
俺は、もの凄い勢いで全てをぶちまけた後、重樹の声で我に返った。
話し始めたら止まらず…昨日の話だけのつもりが今までの話に変わり、気付けば2時間弱…。
彼は相槌を打ちながらずっと聴いてくれていた。
「え…あぁ。ごめん。」
『大丈夫、大丈夫。』
……ほんとイイ奴だな。
電話の向こう側では、ニコニコしてるのが解るくらいの明るい声が聴こえてくる。
「ありがとう。…でさ、どう思う?」
『んー?今の話なんだけどさ…俺が思うに、暁とその幼なじみ…さくらさん?って両想いじゃないの?』
「…………。」
え…………?
『…暁?聴いてる?』
………今なんて?
『………暁ー?固まってる?』
えぇ………っ?!
思わず無言。
なぜなら重樹の最初の一言が飲み込めず、何も届かないくらい自分の中で色んなモノがうごめいた。