花火が教えてくれた【企】
それがお願い?


8月27日。

朝、夜の花火を決定づけるお知らせがあがった。
そのせいで、さくらが来るのか、来ないのか、考えて落ち着かない。


幸いなのは今日が休みってことだよな…。
仕事だったらきっと約束に間に合わない。


それにしても、まだ花火まで時間がある。
…というか、有りすぎる。

せっかくだから…といつもより念入りに掃除をして。
さくらが好きなグラスにお茶も用意したけど、それでも時間は経たない。

そういえば…

毎年、毎年、花火の日は実家で手伝いさせられてたから、気付けば花火の時間になってたのか…。

なんだかな…。


ついにやることが無くなって、ベッドに転がった。


       *


…―ドンッ!!
パラパラパラッ………。


…?
………やばっ!!


花火の音がして起き上がると、すでに空は真っ暗だった。
いつの間にか夢に落ちていたらしい。

慌てて起き上がり、辺りを見回すと、ベランダが開いていた。


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