花火が教えてくれた【企】


…―プルッ…。

「あ…。」

俺が完全に困り果てていると、不意に家の電話が鳴った。

…―プルルルッ…。

「さくら、電話…。」

…―プルルルッ…。

「……さくら?」

電話だろうがさくらは動かない。
そんなさくらに、ついに電話も痺れを切らした。

『…ただ今電話に出ることが出来ません。ピーッという発信音の後にメッセージをどうぞ。』

…―ピーッ。

『もしもし?沙夜です。暁くん寝てる?今みんなで飲んでるんだけど来ない?』

その瞬間。

さくらが一瞬だけ反応したように見えた。

『暁くん?おーい?ホントに寝てるの?いつもの店だからね!待ってるよ!』

ガチャッ。
ツーッツーッ……。


…何もこのタイミングでかけてこなくても…。

ただでさえ、さくらの機嫌は今きっとあまりいい方じゃないのに…。

だいたい、沙夜は何で家電知ってんだ?


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