花火が教えてくれた【企】
「やっぱり暁って鈍感だよね…。」
「え…?」
二人でアイスミルクティーを飲みながらゆっくりしていると、不意にさくらが呟いた。
「うん。絶対鈍感。」
確かに鋭いとは思わないけど。
何も言い切らなくても…。
「…だいたい何を根拠に……。」
「例えばさっき電話してきた娘とか…。」
「?さっきの…って、沙夜?」
俺の問い掛けに、さくらはまた仏頂面。
「いい…何でもない。」
「…???」
「はぁ…ほんと鈍感なんだから……。」
そう言って、さくらは思いっ切り深い溜息をついた。
………?
て、いうか…さくら今日はいつまで居るつもりなんだ?
どうせ明日は休みだろうし、俺も休みだから時間は気にしていなかったけど…
気付けば時計の針は12時を回り、しばらく経つ。
いつもなら12時で帰るはずなのに、今日は帰る気配すら見せない。
外も花火の熱は冷めたのか、静かになっていた。