花火が教えてくれた【企】
まぁ、俺も気付かなかったくらいだし…
さくらもゆっくりしていて時間に気付いていないのかもしれない。
いつもなら花火の日は実家で空を見ながら雑魚寝だしな…。
でも、もうすぐ1時か…。
一体どうしたんだ?
「…さくら?12時過ぎたよ?」
時間も時間だし。
ゆっくりはさせてやりたいけど、心配にもなる。
そう思って、少しだけ遠慮がちにさくらに声をかけると、急に彼女は俺を睨んだ。
「…だから暁は鈍感なのよ…。」
「え…?」
「もう…言わなきゃ解んないの?」
そして突然怒り出すさくら…。
「…ごめんなさい。」
謝るしかない。
…と言うか、普通解らないだろ。
この展開で解るのなんて、エスパーしかいない。
「……私ね、今日はココに居たいの。」
「………?居て悪いとは言ってないよ?」
「………。」
そういう事じゃないらしい…。
なぜなら、俺が答えた瞬間、さくらの顔がさらに怖い顔に変わった。