花火が教えてくれた【企】
¨さくらさんは暁の事が好きだと思うけど?¨
思わず重樹の言葉が頭を過ぎる。
……マジか?!
……マジなのか?!
…と言っても、¨ハイそうですか!¨なんて急には思えない。
「…だいたい…今までそんな事一度も…?」
確かに告白もしてないが…
告白された事も噂を聴いた事もない。
「だって…私、今までは気付かなかったんだもん…。」
そう言って、さくらは俯く。
「でも………。」
「でも………?」
「でもね、花火の日に…暁の隣に私以外の人が居て、すごく嫌だった…。」
花火の日…?
沙夜の事か………?
「それでやっと気付いたの…。」
さくらは今にも泣き出しそうな顔を見せた。
そうか……。
最近よく見るこの顔は俺のせいだったんだ…。
「……もう…遅いかな……?」
さくらは涙をグッと堪えて真っ直ぐに俺を見る。
その眼は昔の¨あの日¨と同じだった。