キミだけをずっと②
俺は愛美が男子学生に告られてる場面を
何度か通りかかった廊下の窓から見かけたことがあった
窓の縁に両腕を置いて、様子を伺っていた
「ごめんなさい」
何人もの男子学生を振っていた愛美にとって
今回は愛美自身が好きな人に振られている
心に深い俺達には見えない傷があるはず
さぁ、その傷その心の穴を誰が埋めていくのだろう
見物だなと思っていた
両手で男子学生が渡す花束を押し返してその場を去っていく
パラパラと去っていく見物客の中を眺めている
ふと振り向くと、大樹の姿が見えた
大樹は下を向いて、その場から歩いて去っていった