キミだけをずっと②



俺は愛美が男子学生に告られてる場面を


何度か通りかかった廊下の窓から見かけたことがあった


窓の縁に両腕を置いて、様子を伺っていた



「ごめんなさい」



何人もの男子学生を振っていた愛美にとって


今回は愛美自身が好きな人に振られている


心に深い俺達には見えない傷があるはず



さぁ、その傷その心の穴を誰が埋めていくのだろう


見物だなと思っていた



両手で男子学生が渡す花束を押し返してその場を去っていく


パラパラと去っていく見物客の中を眺めている


ふと振り向くと、大樹の姿が見えた



大樹は下を向いて、その場から歩いて去っていった








< 123 / 259 >

この作品をシェア

pagetop