キミだけをずっと②
私は大樹の家の前までタクシーを走らせた
大樹の家の前でタクシーが止まり、大樹をタクシーから降ろした
「大樹…着いたけど家の鍵!」
「あぁ…」
大樹は酔いながらもポケットから家の鍵を私に渡す
玄関を開けると大樹の腕を首に回して家に入った
よろけながらも必死に大樹を歩かせる
階段のところで私が支えられない程に左によろけた
「ちょっと、大樹!?」
私は身体ごと大樹とよろけてしまい、大樹は壁に背中をつけ
私はその勢いで大樹と正面から倒れ、唇が重なった
私は目を大きく開けた
一瞬の事だったから、何が起こったかなんて考える暇もなく
ただの事故かもしれない
いや、事故であってほしい
はっと我に戻り、唇から離れると
案の定、大樹は壁に横たわり酔って寝ていた