キミだけをずっと②



自動販売機売場前


一人でぼーっと立っていた


ジュースを買うわけでもなく



そこへ廊下を歩いていた凌が私に気付いた


凌は私の目の前で自動販売機にお金を入れてジュースを買いはじめた



「次は何を悩んでるんだ?」



人差し指で缶コーヒーの詮を開ける



「私、決めたの」


「何を?」



凌は缶コーヒーを一口飲みながら私を見る



「大樹の事、諦める」



凌は無言で私を見ていた


私は凌の方に身体を向けた



「今なら諦められる気がする」



凌から見たら、そんな程度なのかとか


そんな風にしか思わないだろうな…









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