キミだけをずっと②
笑っていた顔を無表情に直し、肩を叩こうとした手を引っ込めた
両手をポケットに突っ込んで、顔を窓側に向いて
愛美の机の足を蹴った
ドン??!
「えっ何事?!」
案の定驚いた表情を見せた愛美に声をかけた
「何寝言言ってんだよ!」
「寝言?」
キョトンとした顔の愛美に思わずそっぽを向く
「まぁいい、帰るぞ」
「えっ、待ってよ!」
俺は愛美を置いて教室から出た
愛美はバタバタとノートをバックにしまい、先を歩いていた俺に追いついてきた
「凌、怒ってるの?」
「別に怒ってないよ」
俺は別に怒ってはいない
でも心の中ではモヤモヤしたものがある
愛美の寝言で“大樹”と言ったことに・・・