キミだけをずっと②
〜 大樹・凌 side 〜
愛美が夜中に歩いているのを見つけて車で送った後、俺は家で凌の帰りを待ちながら先に風呂に入っていた
俺が風呂から上がり、服を着て髪をタオルで拭いていたところだった
「ただいま」
玄関から凌の声がした
「おかえり、遅かったな」
俺はいつもより低い声で凌に向かって言った
凌は真っ先に自分の部屋へ入っていった
「凌、お前あの女にあっただろ!」
「あぁそうだよ」
「何で会ったんだよ、愛美を置いてまで・・・」
「しょうがねーだろ」
凌は席を立ち、俺の目をじっと見た
「あの女って言い方はやめろよ」
そこでキレんのかよ、と思う俺
「もう会わないんじゃなかったのか?親にバレたらヤバイこと、自分でも分かってんだろうな?」
「分かってるよ、俺はもう子供じゃないんだよ!」
こんなに気を荒くする凌は初めて見た気がした