キミだけをずっと②



紗貴が指を指した方に振り向くと、そこにはあの男子が立っていた



「えっ」



私は思わず言葉に出してしまった



「凌こっちにこいよ」



大樹がその男子を隣の席へと誘導した



「ねぇ、大樹くんの友達?」



紗貴が口に詰めていた物を飲み込んで大樹に聞いた



大樹はふっと笑いながら両腕を机に置いた




「俺の従兄弟だけど」



その瞬間、時が止まったかのような感覚がした


受験日にばったりとトイレで会って、クラスも同じ


大樹の従兄弟…


どういう事になってんだか



その大樹の従兄弟が私と紗貴の前にいる







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