キミだけをずっと②



教室に戻ると、誰ひとり学生の姿が無く


シーン…とした雰囲気のする教室に私一人で入って行った


窓側の席に座って俯せになっていた



今からバイトがあるっていうのにやる気になれない




窓の外を腕をついて見ていると、涼しくて気持ちいい風が長い髪をなびかせた



目の前を向くと、そこには凌が平然と私を見下ろして立っていた



「何してんだ」


「何って窓の外見てたの」



凌は私が見ていた外の方に顔を向けるとボソッと呟いた



「雨降りそうだな」



外を見ていた視線を私に移すと


ハッと席を立ち、教室から飛び出して校舎の出口まで走った



傘を持っていない私は校舎の出口で立ち往生


空を見上げると雨がザァザァと降っていた



最悪だ…






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