キミだけをずっと②



雨の様子を手を伸ばして伺っていると


隣に凌が歩いてやって来た



あっ凌だ…


空を見上げた凌は、何かごそごそし始めた






もしかして…


『傘に入っていく?』


とか言ってくれたりして…






一人で妄想していた私をよそに


凌は自分が来ていたウインドブレーカーを脱いで両手で頭の上に被って走って行ってしまった



「お先に…」



とんだ勘違いをしたもんだ


馬鹿みたい…




一人残されていたが、遠くから傘を差した紗貴が私の方に走ってくるのが見えた








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