キミだけをずっと②
入荷した本を本棚に並べていると
「ハクション!」
両手で顔を押さえて、思わずくしゃみが出た
「風邪でも引いたのかな…」
くしゃみを気にせずに仕事に励んだ
『お前には大樹は無理だ』
あの凌の言葉が今になっても
心の中で引っ掛かっている
「どうしてそんな事をいうのかな…」
本を本棚に入れていると
バイトの先輩が声をかけてきた
「橋口さん、レジお願い!」
「はーい」
荷台を押しながらレジへと向かった
「いらっしゃいませ、こちらの商品ですね?」
本を左手に持って機械でバーコードをかざした