キミだけをずっと②



教室へ入ると、男女関係無しにあちこちでバラバラと話していた


適当に窓側の端っこに座って、一人でオリエンテーションで使ったプリントを眺めていた


そんなことをしていると、教授が入って来て講義を始めた



文学部とは言え、英文学科


最初の講義にアメリカ人女性を投入してくるとは


立慶大学は英語に力を入れているのが分かる


なかなかやるな…



黒板に英語で書かれたことや言っていることを、ノートにメモったりと


テスト対策も大変なんだろうなと感じた内容だった



授業に夢中だった私に、前の席にいた女子が私に振り向いた



「ゴメンけど、消しゴム二つ持ってない?」



えっと…


突然言われて焦りながらも、筆箱から消しゴムをあるだけ出した


今日に限って消しゴムが一つしかなかった


うーんと悩む暇もなく、消しゴムを両手で掴んで横に割った



「そんなことしなくてもいいのに…」


「いいの、使って?」


「ありがとー」



いきなり私の手を掴んで感謝された


凄いなー


私は笑顔で彼女を見つめた




その時だった…







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