キミだけをずっと②



教室へ戻ると、ふと凌と目が合った


目を反らしながら自分の席に戻ると


紗貴が前の椅子に座って私に話しかけた



「ねぇ、今日の夕飯は何が食べたい?魚系?それとも肉系?」


「今日はバイトだから夕飯いらないや!」


「え〜!寂しい…」



紗貴は前の席から立ち上がり、隣の自分の席へと座った




授業が終わり、校門前へ向かうと


私より早く大樹が待っていた



「遅くなった〜!」


「じゃあ行こうか!」



大樹は私の手を繋いで歩き出した


うっすら桃色に染まる頬


大樹のこの暖かい手の温もりを知っているのは


世界中で私だけだと思う








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