キミだけをずっと②
「凌は外資系会社の社長の息子だぞ。お金には困らないだろ!
もしかして凌から何も聞いてないのか?」
「聞いてないよ!」
丁度、厨房から凌が注文した品を両手に抱えてやって来た
「大樹、余計な事は言うなよ。特にお前」
「ちょっと凌、どういう意味よ!」
まぁまぁ!と大樹が止めにかかる
一気に熱が上がってしまった
凌はテーブルに料理を置いた
「でもやっぱり凌は凄い人だったんだね!」
テストのクラス順位は常に一位だし
まぁ、性格はさておき
頭は良くて、顔も良い
ほぼ完璧な凌に隙がない
「別に凄いところなんかないよ」
私が思っていたのは裏腹に
凌の意味深な言葉に耳を傾ける
凌はレシートをテーブルの上に置くと
向こうの席から手を上げているお客さんのところへ行ってしまった