幸せ探し




そうこうしているうちに

球技大会の季節になった




相変わらず伊藤は
仲のいい友達を作ろうとしない


作らないから、俺たちといる時間が
長くていいんだけど・・・




「愛理ちゃん、球技大会なに出るの?」



京輔の質問にもだんだん
ちゃんと答えるようにもなった



「あー、私何でもいいよ」


「マジ?」

俺が話に入ると


俺の席に体を向けて

「私、球技大会とか
暑苦しいの好きじゃないの」

と冷たく言った



だけど、最近分かったことで
どんなにトゲのある言葉でも
本人は悪気があるわけじゃない




「じゃあ、バスケ出れば?」

俺が提案すると京輔ものって


「いいじゃん、バスケしてる愛理ちゃん
見たい!!」

「お前は、どんな競技でも喜ぶだろ」

「まぁ、そだけど

それに、バスケって楽だぜ
一緒になって走るだけでいいから」



俺たちがワイワイ話している
そばで伊藤は何か
思いつめたような顔をしていた




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