幸せ探し




「なぁ、颯太は
あいつの親友なんだろ?」




一瞬にしてみんなが口を閉じた


そのなかで颯太だけが
口元を緩ませて
落ち着いた声で「あぁ」と言った



「それでもって、
愛理の味方なんだろ?」



私の、味方か


「当たり前」


少し沈黙が流れた



だけど、みんな隼人が聞きたいのは
こんなことじゃない、と
分かっていた

だから、じっと黙って
隼人の次の言葉を待った




「じゃあ、愛理が死んだ親友のことを
想っていること、どう思う?

これからもずっと
愛理は死んだやつのことを
想い続けようとしてる」



「ちょっと!何勝手に!」


隼人は話を続けさせろと言うように
私のほうを向かなかった

颯太も。



こんな話したくないけど

実は気になっていたことだった




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