幸せ探し
「なにこれ、こんなの知らないよ
なんで、今更」
「愛理、あいつもいろいろ考えて
こうしたんだ
最後まで読んでやれ」
涙をぬぐってページに目をやると
日付は随分飛んで
私が会いに行った日に
なっていた
きっと、凛久も
書くのがつらかったんだろう
最初とは違って
力のない文字たちが
悲しそうに
凛久の言葉として並んでいた
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なんで、来るんだよ!
俺のことなんか忘れていいのに
早く違う男とくっついてくれれば
思い残すことはなかったのに
でも、正直うれしい
ずっと俺のこと
想い続けてくれてたんだな
ありがとう
もう、最後だから
お前に甘えていいかな
そのために神様は俺のとこに
愛理を返してくれたんだろ?
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愛理が隣にいる
隣で幸せそうに寝てる
俺はこの先
愛理を不幸にしてしまうんだよな
ごめんな
死にたくねぇよ
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