幸せ探し
「なぁ、愛理ちゃん
なんで寝てないと思う?」
「なんだろ・・・バイトとか
してないらしいしね」
「やっぱ、悩みとか?」
花音が核心をついて
みんなが黙り込んでしまった
「俺さ、聞いたんだよ」
俺は愛理が倒れた時のことを
みんなに教えるべきだと思って
話した
「俺、愛理に修学旅行が
九州になったって話したんだよ
そんとき絶対愛理喜ぶと思っててさ
みんなもそうだろ?」
みんなはうなずいてくれた
「だけど、それ聞いた愛理は
『いや・・行きたくない・・』って
言ったんだよ
そしたらだんだんふらついてきて」
「なんで?・・なんで嫌がるの?」
「俺も分かんねぇよ!!」
気づいたら杏里に
大声で怒鳴ってしまっていた
「ごめん・・・
で、愛理は倒れる寸前で
『凛久』って言ったんだよ」
「りく?彼氏の名前とか?」
「知らねぇけど
愛理が九州に行くのを嫌がる
理由はなんかあったからじゃね?
例えば、元の学校でイジメられてたとか」