幸せ探し

京輔は俺の手を引いて

伊藤を追いかけた




「お前、絶対嫌われるぞ」



「もう嫌われてるし・・・」



京輔は諦めたように呟いた




すると、伊藤は階段を上って
立ち入り禁止の屋上へ
ためらいもなく入って行った



「おぉーさすが一匹オオカミ」



意味分かんねぇし




俺たちも続いて
屋上へ行くと



伊藤は驚いていた




「なんで？」

「なんでって、愛理ちゃん一人じゃ
寂しいと思って」


京輔が抱き着こうとすると


伊藤は分かりやすく
嫌そうな顔をして
後ろへ下がった






「言っとくけど、私は寂しくない」



そう言い放った顔が



俺の頭に深く焼きついた