幸せ探し
いつも強気な伊藤だけど
一瞬だけ悲しそうな表情を
見せた
「まぁ、まぁ、一緒に食べるだけ」
京輔はその表情に気付くわけもなく
のんきにお弁当を食べ始めた
俺も座って食べ始めると
伊藤は少し離れたところで
しぶしぶ食べ始めた
「ねぇー愛理ちゃんはなんで
友達作んないの?」
「ほしいと思わないから」
しつこく質問する京輔に
負けて伊藤は冷たく言った
「ほしいと思わなくても
相手がお前と仲良くなりたかったら
どうするんだよ
それでも、作らないなら
そいつが可哀想だろ」
俺は気づいたらそんな言葉を
言っていた