幕末に来た少女〜
「まずは、着物を
選ばな話にならん
燐は何色がええ?」
「う〜ん。
青っぽいのかなぁ」
「沖田はんは燐には
何色がええと思う?」
「赤系ですかねぇ?」
何故か疑問系である。
そして暖色系と寒色系。
みごとに逆の色である。
「みごとにわかれたなぁ
こうなったら赤系と
青系二着ずつでええ?」
妥協案として
華が出したのは
いっそうのこと両方
買ってしまってはと
いうものだった。
「そうですね
そうしましょう」
なにやら燐抜きで
話が進んでいる。
此処で燐が口を開いた。
「お、沖田さん、
せめて一着ずつで
いいです……」
最後の方は
声が小さくなって
しまった。
華には外国帰り
という事になっているし、
本来は、未来から
来たのでこの時代の
お金など
当然持っていない。
よって、必然的に
沖田が払う事になる。
どちらにしても、
この時代のお金など
持っていないうえに
通貨も知らない。
どうやら、二人には、
燐の声は
届いていないようだ。
あれやこれやと、
着物を出してきて
二人で言い合いを
していると思ったら
突然声をかけられた。
「燐さんは
どんな柄がいいですか?」
「へ?」
なんとも間抜けな
声である。
「いきなり
訊かれましても……」
「じゃぁ好きな花は
何ですか?」
「あぁ、
それでしたら……
「桜、桔梗、椿……
それぐらいですね」
「それを聞けば十分です」
「お華さん、
黒地に菊柄の
着物はどぉですか?」
「それから、
この紺色に椿柄の
着物は決定です」
「これなら、
燐さんの言っていた
青色ですし、
それから、薄紫に
桔梗柄なんてどうです?」
「まぁええんとちゃう?」
「最後にこの朱色
に楓柄なんて
綺麗だと思うんですが
お華さんどう思います?」
「燐に似合いそうやな」
華は笑うのを耐えていた。
何故なら、沖田が
あまりにも張り切って
燐の着物を
選んでいるからである。
しかも見事に
春夏秋冬である。
色も、青系と赤系。
しかし何故か一つは
黒だったが。
燐ならピンクも
似合いそうだが
敢えて言わないでおこう。
買う着物も決まった所で、
沖田は財布を出した。
「お華さん。
これで足りますよね」
「足りるかって、
ぴったりやないの」
沖田は計算しながら
選んでたらしい。
「毎度、おおきに」
「燐さんお会計が
終わったので
屯所に向かいましょう」
「沖田さん!?
何時の間にお会計
したんですか?」
「燐さんが少し考え事を
している間にですよ」
「有難うございます」
燐は沖田に
お辞儀をして
お礼を言った。
「いいんですよ」
「今、どの着物着ます?
お華さんに
着付けを教わって
着て来てください」
「え……」
「その為に
買ったんですから」
「どれがいいですか?」
「じゃぁ……
朱色の楓柄の着物を」
「華、着付け教えてね」
「勿論や」
十分後……
店の奥で、華に
着付けをしてもらい、
その際にやり方も
教わった。
「どうですか?」
下向き加減で
話しかける燐に沖田は
「よく似合ってますよ」
と言った。
「ま、孫にも衣装って
感じじゃないですか?」
「そんな事ありませんよ」
内心ほっとした
燐であった。
「華、
本当に変じゃない??」
「よく似合っとるよ」
「よかった
華、有難う
またね」
「いつでも来てや」
「わかった」
こうして呉服屋を
出た燐と沖田は
屯所へ向かうのであった。
屯所である
八木邸までは、
華の店から
そう遠くなかった。
歩くこと二十分弱……
多分この時代に
時計を持ち歩くなんて
習慣はないので
あくまで多分なのだ。
屯所にしている
旧前川邸に着いた。
選ばな話にならん
燐は何色がええ?」
「う〜ん。
青っぽいのかなぁ」
「沖田はんは燐には
何色がええと思う?」
「赤系ですかねぇ?」
何故か疑問系である。
そして暖色系と寒色系。
みごとに逆の色である。
「みごとにわかれたなぁ
こうなったら赤系と
青系二着ずつでええ?」
妥協案として
華が出したのは
いっそうのこと両方
買ってしまってはと
いうものだった。
「そうですね
そうしましょう」
なにやら燐抜きで
話が進んでいる。
此処で燐が口を開いた。
「お、沖田さん、
せめて一着ずつで
いいです……」
最後の方は
声が小さくなって
しまった。
華には外国帰り
という事になっているし、
本来は、未来から
来たのでこの時代の
お金など
当然持っていない。
よって、必然的に
沖田が払う事になる。
どちらにしても、
この時代のお金など
持っていないうえに
通貨も知らない。
どうやら、二人には、
燐の声は
届いていないようだ。
あれやこれやと、
着物を出してきて
二人で言い合いを
していると思ったら
突然声をかけられた。
「燐さんは
どんな柄がいいですか?」
「へ?」
なんとも間抜けな
声である。
「いきなり
訊かれましても……」
「じゃぁ好きな花は
何ですか?」
「あぁ、
それでしたら……
「桜、桔梗、椿……
それぐらいですね」
「それを聞けば十分です」
「お華さん、
黒地に菊柄の
着物はどぉですか?」
「それから、
この紺色に椿柄の
着物は決定です」
「これなら、
燐さんの言っていた
青色ですし、
それから、薄紫に
桔梗柄なんてどうです?」
「まぁええんとちゃう?」
「最後にこの朱色
に楓柄なんて
綺麗だと思うんですが
お華さんどう思います?」
「燐に似合いそうやな」
華は笑うのを耐えていた。
何故なら、沖田が
あまりにも張り切って
燐の着物を
選んでいるからである。
しかも見事に
春夏秋冬である。
色も、青系と赤系。
しかし何故か一つは
黒だったが。
燐ならピンクも
似合いそうだが
敢えて言わないでおこう。
買う着物も決まった所で、
沖田は財布を出した。
「お華さん。
これで足りますよね」
「足りるかって、
ぴったりやないの」
沖田は計算しながら
選んでたらしい。
「毎度、おおきに」
「燐さんお会計が
終わったので
屯所に向かいましょう」
「沖田さん!?
何時の間にお会計
したんですか?」
「燐さんが少し考え事を
している間にですよ」
「有難うございます」
燐は沖田に
お辞儀をして
お礼を言った。
「いいんですよ」
「今、どの着物着ます?
お華さんに
着付けを教わって
着て来てください」
「え……」
「その為に
買ったんですから」
「どれがいいですか?」
「じゃぁ……
朱色の楓柄の着物を」
「華、着付け教えてね」
「勿論や」
十分後……
店の奥で、華に
着付けをしてもらい、
その際にやり方も
教わった。
「どうですか?」
下向き加減で
話しかける燐に沖田は
「よく似合ってますよ」
と言った。
「ま、孫にも衣装って
感じじゃないですか?」
「そんな事ありませんよ」
内心ほっとした
燐であった。
「華、
本当に変じゃない??」
「よく似合っとるよ」
「よかった
華、有難う
またね」
「いつでも来てや」
「わかった」
こうして呉服屋を
出た燐と沖田は
屯所へ向かうのであった。
屯所である
八木邸までは、
華の店から
そう遠くなかった。
歩くこと二十分弱……
多分この時代に
時計を持ち歩くなんて
習慣はないので
あくまで多分なのだ。
屯所にしている
旧前川邸に着いた。