瑠璃色の夢は泡沫に沈む
1.出逢い

はじまり

――――それは、ほんの数十年前の出来事。

とある田舎の漁師が、引き揚げた存在が発端だった。

『人魚』。―――伝説として語り継がれていたその存在が公となり、人々はにわかに浮き立った。

愛玩用と称して捉えられた人魚たちは、強欲な貴族の手に渡り、ひとり、またひとりと海から姿を消した。それが一ヶ月ほど続いた頃、海が荒れ、地にあるものが薙ぎ払われ、流れていく。―――俗にいう自然が起こした津波だったのかもしれないが、人間たちはそう考えなかった。

―――人魚たちの怒りの象徴だと恐れた人々は、人魚たちのその力を恐れてますます人魚狩りをすることに沸き立った。

そうして―――…。

その数日後、『人魚』の姿は消えた―――…。



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