二つの世界、分かつ門
どれ程愛馬を駆ったかわからない。
真っ暗闇の中、ただただ一心不乱にたずなを握った。

ふと、前方に丘が見えてくる。アゼルダは一旦そこで休もうと、その丘に愛馬を向かわせた。

「シェリー・・・」
愛馬、シェリーから降り、そっと撫でる。
ごめんね・・・。
こんなことになるなんて・・・。

言葉にならない想いが溢れ出る。
それは、形となってアゼルダの頬を滑った。

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