~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
ちゃんとした着物屋なだけ値は張ったけど、いいんだ。
「兄ちゃん、」
「はい?」
店長だという、細い男の人。
なんだろう?
ジッと目が合ってる…
「兄ちゃんの彼女、それ着たらここに連れてきてくれねえか?」
「え…」
ど、どうしようか。
「いや、いいんだ。もし良かったら、って話だからな。」
「はあ…」
なんだか、少し寂しそうに見えて、「来ない」とは言い切れなかった。
…妃が着れるのかも分からないのにな……