~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
近所の人が死んだ三日後に見つけてくれたらしく、俺たち家族はじいちゃんが変わり果ててしまう前に会うことが出来た。
眠っているように病院のベッドに横たわっていたじいちゃんを一目見て、親父がワッと泣いた。
じいちゃんに似て厳しい親父が泣いているのを見たのは、それが最初で最後。
母さんも、親父の横で静かに泣いていた。
妹の優希(ユウキ)も、肩を震わせていた。
なのに、俺はまったく泣けなかった。