~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】




『とにかく、妃には優しくしてやってくれ。』





親父の声は、初めて聞くくらいに切なげだった。







『俺はもう、触れることはおろか、話すことも…見ることすら出来ないんだ…』

「親父…」





妃は、元気だ。


明るくて、俺の生きる希望にだってなりそうなんだ。


じいちゃんが死んだのに、今こうしてこの家にいられるのは妃のおかげなんだ。








「…妃には、いっとくよ。」

『ああ…よろしく頼んだ。』






静かに、電話が切れた。







…いろいろ、驚いた。





< 123 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop