~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
………俺はじいちゃんに、孝行してやれなかったんだろうか。
世話になるばっかりで。
じいちゃんに迷惑をかけるばかりで。
何も、返せていなかったんだろうか。
じいちゃんが死んだことが悲しくないわけじゃない。
むしろ、悲しすぎてぽっかりと胸に穴が開いたみたいだ。
俺は、現実味のない毎日を過ごした。
じいちゃんが死んだのは夏だったのに、ふと気がつくと季節がもう冬になっていた。