~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
ロールケーキにフォークを刺しながらさっき決めたことを切り出す。
「……あのさ。」
「何よ。」
「俺、じいちゃんちに行ってこようと思う。」
「………は?」
俺の言葉を聞いた母さんは、フォークを待ったまま固まる。
「俺、じいちゃん孝行したいんだ。それに、あそこに行けばじいちゃんが死んだことを受け入れられると思う。………だめかな?」
そろそろ、俺は“死”を受け入れるべきなんじゃないだろうか。