~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
「そんなに、思い詰めなくていいから…」
希湖さんの言葉には、首を振りました。
「…ごめんなさい。」
希湖さんの泣きはらした顔を見ていられなくて、逃げました。
希衣子さんの死に立ち向かう勇気はなかったですし…
「妃!」
小さい子供の声は、由宇人さんのものでした。
「由宇人さん…」
「お母さんが、死んだんだ…」
由宇人さんの悲しげな声は、私を苦しめました。
でも、私が苦しむのは当然です。