~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
由宇人さんが中学生になり、家を出てからはヒサヒトさんは広い家に一人きりになりました。
だから、自然とお墓にいる時間が長くなりました。
「ヒメはなんでここにいるんだ?」
「…妃ですが。」
「ヒメでいいんだよ。」
「…どうでもいいです。」
ヒサヒトさんは何度言っても私のことを“ヒメ”と呼びました。
「…私は、希衣子さんに謝り続けるつもりです。これからも、ずっと。」
「謝る?なんでだ?」
「私が希衣子さんを死なせてしまったからです。」
私は、希衣子さんが幽霊を見れるようになった原因が私であること、そのせいで希衣子さんが川に飛び込んでしまったことを話しました。
…涙が、止まらなかった。