~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
夜になって、三人でご飯を食べているのを私は見ていました。
二人の馴れ初めや、由宇人さんの幼いころの話、高校や大学での話。
ヒサヒトさんはとても嬉しそうに笑っていました。
「佳奈子は、もう休んだらどうだ?あの…妊婦なんだし。」
「ああ!そうね。じゃあお父様、お先に失礼します。」
「ああ。ゆっくり休んでくれ。」
早く孫の顔がみたい、とヒサヒトさんが笑いました。
「で、話があるんだけど。」
佳奈子さんがいなくなって、由宇人さんが唐突に話し始めました。