~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
そしてヒサヒトさんが話した方法こそが、“生まれる前の子供に力を渡す”というものだったのです。
由宇人さんは悩んでいましたが、佳奈子に話してみる、ということでその日の話し合いは終わりました。
「…ヒサヒトさん、やめさせないんですか?」
「由宇人をか?」
「はい。子供は、辛いと思いますよ。」
「……希衣子か。」
希衣子さんは、見たくないものを見て育った。
そんな思いをする子が、また出るなんて悲しいことだと思いました。
それに……
「私の回りは、そんなことがよく起こってしまうんですね……」
もうそれは、私のせいとしか言えないでしょう。