~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
「どうも、ありがとうございます。」
「いいえ、いいのよ。だけどあなた、一人であのお家に行くの?」
「…?はい、そうですけど……。」
「あそこ、最近じゃ幽霊屋敷、なんて呼ばれてるから、少し気をつけたほうがいいわよ。」
「幽霊屋敷…ですか。」
なんでだろ?
昔は全然そんなことなかったのに。
「まあ、ホントに見たことある人はいないらしいから、大丈夫だとは思うけどね。」
「はあ……。ありがとうございます。」
おばあさんは、「気をつけてね、」と手を振ってくれた。
夕方の道を、一人で歩いてじいちゃんちまで行った。