~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
由宇人さんに宛てた手紙も、私は読みました。
家はそのままの形で遺しておくこと。
必要なものも、遺しておくこと。
ただ、親戚以外の誰にも家を渡さないで欲しい。
そのようなことが書いてありました。
……それはすべて、私のためだったのです。
他の人が住んだら、私が嫌がるだろうからって…
ヒサヒトさんの思いやりに、涙が出ました。
だから、私は家を離れず、守ることを決めたのです。