~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
唯があの浴衣を買ってきてくれたとき、私は泣きそうでした。
だから素直に、言ったんですよ。
なんでだか説明は出来ないんですけど、鼻がツン、として涙が出そうでした。
――あれを着れたことは、奇跡に近いことだと思います。
私は本来、ものに触れることは出来ない存在です。
力を使って動かすことは出来ても、それは念力のようなものです。
だから、普通の人のように浴衣をきれたとき、とても嬉しかった。
それと同時に、一つのことを確信しました。