~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
「…それは、本当に心から人を好きになれなかったことだと思ったんです。」
心から、人を…
「生きているときも、若いうちに死んでしまいました。結婚相手も、親に決められた人でした。」
「…………。」
「それを、ヒサヒトさんと一緒に考えて分かったんです。」
「…だから………なんだよ。」
それが分かったから、なんだよ…
「私の心残りは、唯に出会えたことでなくなってしまいました。」
妃は、満面の笑みで俺を見ていた。