~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
妃の声が耳に届くたびに、目に涙が浮かぶ。
ああ、今にもこぼれそう…
「……唯の、ばか…」
「は?」
急な言葉に驚いて妃を見ると、眉間に力を入れて、険しい顔をしている。
「…唯がそんなんだから、私はまた心残りが出来てしまいます……」
俺の、せい?
「私だって、唯と離れるのは辛いんです…」
「妃……?」
「やっと、初めて好きになった人だったのに…!なのに、なのに……」
妃は、ぽろぽろと泣き出した。