~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】



妃の声が耳に届くたびに、目に涙が浮かぶ。



ああ、今にもこぼれそう…





「……唯の、ばか…」

「は?」



急な言葉に驚いて妃を見ると、眉間に力を入れて、険しい顔をしている。





「…唯がそんなんだから、私はまた心残りが出来てしまいます……」



俺の、せい?




「私だって、唯と離れるのは辛いんです…」

「妃……?」

「やっと、初めて好きになった人だったのに…!なのに、なのに……」





妃は、ぽろぽろと泣き出した。



< 237 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop